一緒にやろう
一緒にやる必要性
「支障や実害があっても、モノや過去を手放せない」という価値観は、とても根深いです。
そこに時間の無さや面倒くささも加われば、片付けられなくて当然です。
「ご希望の内容には、パソコンと複合機と液タブを置くスペースが必要です。次の訪問までに片付けてくださいね」と言ったところで、できる人は限られます。
「片付けられなかったので、ひとまずここにします」と、無造作に置かれたモノたちと埃とゴミをザッとどかした床や、モノが詰め込まれておかしなバランスの収納に、重たい複合機や液タブを置こうとします。
震度3程度の地震や躓いた拍子に雪崩が起き、まあまあの惨状になる予測ができても、「根拠は全くないけどたぶんどうにかなる」「仕方ない」と未来を見ないようにしています。
声掛け程度で理想を実現できるなら、誰も困ったりしませんよね。笑
だから、私は一緒にやります。
優先順位のつけ方を教えて、おっくうな決断を一緒にします。
部屋の広さや管理能力をふまえて、これからのあなたに本当に必要なものを選び、再配置するお手伝いをします。
最初はしてなかったんです。
「クリスタで絵や漫画を描けるようになりたい」のが依頼なのだから、空間にまで口を出すのは余計なお世話だと思っていました。
「これは地震が来たら確実にやばいな」「この配置じゃ面倒くさくなって、結局デジタルから遠ざかりそうだな」と気づいていても、「片付けたほうがいいですよ」なんて一言アドバイスにとどめて、付き合いが深いような一部の方だけに片付けをしていました。
でも、創作活動を楽しんでいた受講者さんが地震で落ちてきたモノで大怪我をし、あんなに頑張っていた絵そのものを断念したり。
「電源タップが死んだけどケーブルを発掘できずパソコンが使えなくて、iPadを買いました。でもアップルペンシル無くしちゃって、自力じゃモチベも上がらないからまた教えてください」といった連絡を受けているうちに、これじゃダメだと痛感しました。
デジタル化はソフトを教えるだけじゃあかん。
やりたいけど自力じゃできない人は、作業環境も整えなくてはいけないとわかったのです。
漫画家さんの改善例
実際に、作業環境を大きく改善できた漫画家さんも増えてきました。
- 起きた後も体が楽
- 窓を開けて掃除をする普通の生活にびっくり
- 掃除機が楽しくて何度もかけちゃう
- 余計な在庫を抱えなくなった
- プライベート空間の片付けに取り組めた
など前向きな報告が届き、私も本当に嬉しいです!
米田まりなさんが言うように、整理整頓はスキルです。
理屈とコツを掴んだら、必ず快適な仕事場をつくれます。
(発達障害など一部の方は特性によってできない項目もありますが、改善のヒントは探せます)
スキルがなくて困っている人に、やり方を教える。
これは、クリスタで作品を描けるよう独り立ちするまで併走するのと同じこと。
「クリスタ講師」ではなく「デジタル化コーチ」としての私がやるべき仕事です。
最初は乗り気じゃなかった受講者さんも、モノの価値を見直し、部屋にスペースができ、効率が上がると、整理整頓の絶大な威力を実感します。
周囲に自慢したくなり、褒められて、アシさんを早く呼びたいな、諦めていた素敵なソファを置きたいな、ここにあの人の絵を飾れるな……と、「これからやれること」を考え出します。
片付けが「優先順位をつけて決断する」トレーニングとなり、自分の向き不向きを具体的に自覚し、「やったらできた!頑張れた!」と自信をつけて、過去より未来を考えるようになります。
大事なのはご本人に実感してもらい、納得してもらうこと。
口で指示するだけなら誰でもできます。
面倒事に立ち向かってもらうのだから、まずコーチの私が動かねばならんのです。